- 暖突って電気代はどのくらいかかるの?
- 暖突の取り付け方が知りたい
- 暖突の効果的な使い方って?
私、くま村長。
主に野外採集の日本産の爬虫・両生類の飼育者です。
当ブログは、私の実際の飼育経験に基づいて爬虫・両生類の飼育についてまとめています。
暖突はレップジャパンより販売される『輻射型遠赤外線上部用ヒーター』です。
暖突の特徴は、遠赤外線を発する部分に特殊断熱材が使われているところです。
人や生体が触れてもやけどすることがなく、霧吹きなどの水分での器具の破損もありません。
保温球は触ったら火傷の恐れがあるし、濡れたら割れちゃう危険性がありますもんね
つまり安全性に優れた保温器具ということです。
さらに特殊断熱材と技術的工夫で輻射効果が増大され、本来は上方に行く暖かい空気が下方に放射されます。
上からしっかり暖めてくれるってことですね。
この記事は、そんな暖突の機能や飼育におけるメリット・デメリットを深掘りしていきます。
爬虫・両生類飼育のレベルアップになり、保温器具の選択肢を増やす取り組みです。
この記事では、以下の点を徹底解説しています。
- 暖突の5つのサイズ
→『S』『M』『ロング』『L』『特大』 - 暖突の距離による温度の違い
- 暖突と併用したい保温器具
- 暖突の取り付け方
→バーベキュー網とセットにすることで取り付けやすさUP - 暖突にかかる電気代を考える
この記事を読むことで、暖突の使い方が完全に理解でき、飼育の効率を上げることができます。
読み進めて確認してみて下さい。
暖突の使い方【各サイズと効果的な照射方法】
暖突には『S・M・ロング・L・特大』の5つのサイズがあります。
それぞれのサイズの基本的情報は以下の通りです。
サイズ『幅19㎝・奥行13㎝・厚さ2,1㎝』
横幅45㎝サイズの飼育ケージに最適
サイズ『幅25㎝・奥行20㎝・厚さ2,1㎝』
横幅45㎝〜60㎝サイズの飼育ケージに最適
サイズ『幅40㎝・奥行14㎝・厚さ2,1㎝』
横幅60㎝サイズの飼育ケージに最適
サイズ『幅40㎝・奥行25㎝・厚さ2,1㎝』
横幅90㎝サイズの飼育ケージに最適
サイズ『幅40㎝・奥行60㎝・厚さ2,1㎝』
暖突の使い方【距離】
暖突は遠赤外線から発する暖かい空気を、上から下に送り込みます。
つまり距離によって、温度が変わるということですね。
暖突の説明書によると…
外気温が21,6℃の場合、暖突の10㎝下は30,3℃、20㎝下は26,7℃、30㎝下は25,5℃、になるということです。
下に行くほど効果が薄れるってことですね。
すなわち設置する場所が大事になります。
飼育環境内に高低をつけると、生体が自分の好きな場所を選ぶことができます
暖突の使い方【つける時間】
暖突は光を放つ保温器具ではないので、昼夜問わずに使用できます。
爬虫・両生類飼育は、昼夜の温度差をつけた方がいいです。
暖突をベースとして、その他の保温器具の併用がオススメです。
どんな保温器具を併用すればいいんですか?
併用したい保温器具
- パネルヒーター
→暖突と逆方向の下から暖めるので、相性がいい - バスキングライト
→太陽の光を再現し、昼にホットスポットを作り、夜は消灯する
温室内の温度が上がりすぎないか心配だなぁ…
そういう場合はサーモスタットをつけましょう。
サーモスタットは設定した温度を超えると、自動的に電源をオフにします。
これに暖突を繋げます。
これで温度が上がりすぎる心配はありません。
暖突の使い方【3つの注意点】
暖突を使用には、いくつかの注意点があります。
3つあります。
これらを知ってると、安心・安全に暖突を使うことができます。
暖突だけでは完全に暖まらない
保温器具の全てに言えますが、外気温が著しく低い時、暖突だけでは十分な保温効果が得れないことがあります。
暖突で十分な効果を得るには、部屋の温度が20℃以上必要です。
20℃を下回る真冬は、十分な効果が得られません。
どうしたらいいんですかね?
先ほどの通り、他の保温器具と併用ですね。
他には部屋の温度を上げる対策です。
以下のような対策を併用してみてもいいかもしれません。
☆★エアコンをつける★☆
確かにエアコンは部屋の温度を上昇させることができるけど、1日中エアコンをつけるのはなぁ…
飼育している爬虫類の数が多いと、エアコンでの一括管理が効率的だったりします。
20度以上で暖突が効果を発揮するので、エアコンにはその温度までの補助をしてもらってもいいでしょう。
☆★オイルヒーターをつける★☆
エアコンほどの温度上昇は期待できませんが、コストの面でオイルヒーターを選ぶのもいいでしょう。
飼育している部屋が小さいと大きな効果があります。
上手に使うと室温を20℃くらいに保てるってことですね。
下のオイルヒーターは安全性が高くオススメです。
暖突が他の飼育用品を溶かす危険性がある
暖突は不織布の効果で、触っても高温とは感じないですが、表面の温度は100℃に達します。
そのためアクリルケースなどは溶けたり変形したいする危険性があります。
それは危険ですね。
そういった溶けやすい材質のものには、直接当たらないようにしたらいいんですね。
そうですね。
取り付け方は後述しますが、バーベキュー網などに暖突を付けた上で取り付けるなどの対策が必要です。
温室に使う発泡スチロール(スタイロフォーム)も80℃〜90℃くらいで溶けるので、注意して下さい。
暖突を取り付ける
暖突には取り付け器具がついています。
上の写真の部品を使うのですが、蓋の形状によって取り付けにくものがあります。
つまり暖突の取り付けには一定の技術がいるんですよね。
なるほど…
どういう風に取り付けるかは、知っておきたいですよね。
ということで、次からは暖突の取り付けを写真も交えて詳しく解説していきます。
暖突の取り付け方を詳しく解説
この章では知っておきたい『暖突の取り付け方』を2つ紹介します。
付属の部品を使って直接取り付ける
まずは付属の部品を使って取り付ける、基本的なやり方を見ていきましょう。
水槽に合わせるスチールの蓋『ハープネット』に暖突を取り付けます。
ハープネットの素材であるスチールの溶ける温度は1500℃以上です。
暖突を直接取り付けても問題はありません。
取り付け方は単純で、蓋を暖突とワッシャーで挟み込み、4隅の穴にネジで固定していきます。
上の写真では穴(赤い丸の部分)が、スチールにかかっています。
ハープネットは網目が細かく、こういうことが起こります。
どうしたらいいんですか?
そういう場合はニッパーで網を切って加工します。
これでしっかりネジ止めをするといいでしょう。
暖突を付ける場合、コンセントを通す穴も必要です。
コンセントの頭が通るくらいの穴を開けます。
このくらいの穴が開けば、サーモスタットなども通せます。
ここでもニッパーを使います。
結構簡単に穴が開きます。
穴が開きました。
これで完成です。
開けた穴はテープなどで塞いでしまうのもいいでしょう。
暖突をバーベキュー網を経由してつける
暖突を直接、蓋につける方法をお話ししました。
ただ、こういった網目の粗いものだと暖突はつけれません。
どうしたらいいんですか?
暖突をバーベキュー網につけます。
このセットで、取り付けれる範囲が広がります。
暖突への付け方は一緒です。
目の粗い網には結束バンドで取り付けます。
バーベキュー網と一体にすることで、さまざまな場所に取り付けることができ、暖突の使用範囲が広がるので、やってみて損はありません。
暖突の使い方【電気代について考える】
暖突ってどのくらいの電気代がかかるんですか?
そうですね。
冬場、暖突は1日中付けてます。
その電気代は気になるところですよね。
電気代は保温器具のW数(消費電力量)が分かれば、割り出すことができます。
●W数から割り出した1ヶ月(30日)の電気代(2024年6月情報)
- 暖突S(消費電力13W)・・・約340円
- 暖突M(消費電力32W)・・・約840円
- 暖突ロング(消費電力32W)・・・約840円
- 暖突L(消費電力57W)・・・約1493円
- 暖突特大(消費電力280W)・・・約7338円
※電気代は電力会社や時期によって変動します
Mサイズを11月から4月の6ヶ月つけると、およそ5000円くらいってことか。
保温球と比べると、ワット数が少ないので経済的であると言えます。
まとめと関連
☆この記事で話したこと☆
- 暖突は熱を発する部分が触っても高温に感じないため安全
- 暖突は上部から下方へ暖かい空気を送り込む
- 暖突には5つのサイズがあり、飼育ケージのサイズによって使い分ける
- パネルヒーターやバスキングライトと併用すると相乗効果がある
- 真冬は暖突だけでは十分な保温効果が得られない
- 融点の低い素材に直接暖突をつけると溶かす恐れがある
- 暖突は蓋などに取り付けるため、多少の技術を要する
- 暖突は保温球などと比べて電気代が安い
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