- ニホンイシガメってどんな特徴があるの?
- 日本いる他のカメとどう違うの?
- ニホンイシガメってどんな生活をしてるのかな?
私、くま村長。
主に野外採集の日本産の爬虫・両生類の飼育者です。
当ブログは、私の実際の飼育経験に基づいて爬虫・両生類の飼育についてまとめています。
日本には様々なカメがいます。
ニホンイシガメの他にはクサガメもいるし、外来種であるアカミミガメも定着していますよね。
その他にも20種を超えるカメが日本に生息してると言われます。
その中でニホンイシガメは、沖縄のリュウキュウヤマガメ(天然記念物)とともに、2種類だけの日本固有種の1種になります。
この記事はそんなニホンイシガメの特徴を詳しく解説し、知ってもらう試みです。
この記事では以下の13個の特徴を詳しく解説します。
- 大きさと成長スピード
- 頭部
- 四肢
- 尻尾と総排泄膣
- 背甲
- 腹甲
- オスメスと性差
- 子供
- 卵
- 生活の場所
- 食性
- 耐寒性と冬眠
- 生殖
この記事を読むことで、ニホンイシガメについての知識を得ることができます。
飼育にも役立つ情報です。
読み進めて確認してみてね。
【ニホンイシガメの特徴】9個の身体の特徴を解説
まずはニホンイシガメの身体の特徴を9つ紹介していきます。
【ニホンイシガメの特徴】大きさと成長スピード
ニホンイシガメの最大甲長は22㎝です。
オスはメスより小さく、最大甲長が約15㎝なんだ。
大体は12〜13㎝で成長が止まるんだよ。
生まれた時の甲長3,5㎝、半年で倍くらいになって
1年半も経つと10㎝弱になります。
そこからは性差が出て、メスは1年に1㎝くらいのペースで大きくなっていくわ。
飼育下の場合、環境によって成長スピードが変わります。
【ニホンイシガメの特徴】頭部
僕たちの頭部の色は、黄褐色や暗褐色・褐色だよ。
黄色・茶色っぽい、落ち着いた暗めの色なんですね。
横から見ると、吻端(頭の先端)がやや突出しています。
そして側頭部に不明瞭な黒い斑紋が入ります。
上顎の先端は尖ったりしていません。
噛み合わせは狭く、私たちは小顔に見えるのよ。
▼比較的大きな頭を持つクサガメ▼
こうして見ると、色んな特徴があるんですね。
【ニホンイシガメの特徴】四肢
前足前面には丸みを帯びた大型の鱗が重ならずにならんでいるの。
前足、後足ともに指の間には水かきがあるよ。
【ニホンイシガメの特徴】尻尾と総排泄膣
尻尾の色は黒や暗褐色(黒みを帯びた茶色系の色)です。
一部が黄色やオレンジ色になる子もいるわ。
▼オレンジのラインが入る尻尾▼
尻尾には総排泄膣と呼ばれる穴があります。
肛門じゃないんですか?
肛門の機能もありますが、総排泄膣から交尾もするし産卵もします。
総てそこからってことなんですね。
【ニホンイシガメの特徴】背甲
背甲(背中側の甲羅)の色は、大きく個体差がでます。
オレンジが強い個体や、黄色味が強い個体、茶色やグレー味がかっている個体もいます。
黄色や黒の斑紋が入る子もいるわ。
形で言うと、椎甲板(背甲の中心の5枚の甲羅)の所々に、キール(盛り上がり)があるのも特徴です。
そして、後サイドの緑甲板の外側が鋸状(ギザギザ)に尖っています。
これは年老いていくと、無くなっていくんだよ。
▼ニホンイシガメの背甲の色の様々▼
オレンジ味が強い背甲を持つニホンイシガメ
グレー味が強い落ち着いた背甲を持つニホンイシガメ
【ニホンイシガメの特徴】腹甲
腹甲(お腹側の甲羅)の色は、黒や暗褐色の一色がほとんどです。
縁に黄色や橙色の斑紋が入る子がいるわ。
この部分を喉甲板といい、ニホンイシガメはやや突出し反り上がっています。
成熟したニホンイシガメの腹甲は、オスがやや凹み、メスがやや突出しています。
交尾の時にオスがメスに乗るから、そうなっているんだよ。
【ニホンイシガメの特徴】オスメスと性差
ニホンイシガメは、オスメスそれぞれの特徴があります。
まずは大きさでも話しましたが、メスの方が大きくなります。
さらオスの腹甲の凹みの話もしました。
他にもあるんですか?
一番の特徴は、総排泄膣の位置ですね。
オスは尻尾の根元に生殖器(ペニス)があるので、総排泄膣が外側になります。
確かにこれは見分けやすいですね。
☆★☆その他の違い★☆★
- 尻尾の根元が太いのがオス
- 横から見ると、甲羅がドーム状に膨らんでいるのがメス
これらの性差は大人になるほど、わかりやすくなるの。
【ニホンイシガメの特徴】子供
甲羅の形がまんまるですね。
これがゼニガメと呼ばれるゆえんだよ。
大きさでも言った通り、生まれたては約3,5㎝。
1年でおよそ倍の大きさになります。
1年くらいまでが子供って感じね。
椎甲板(中心にある5枚の甲羅)と助甲板(左右にある4枚の甲羅)に、キール(隆起)があります。
これは成長に伴い、これは薄くなっていきます。
【ニホンイシガメの特徴】卵の特徴
ニホンイシガメの卵は楕円形で、長さが約3,5㎝です。
産み落とされてからおよそ70日で、孵化します。
【ニホンイシガメの特徴】4個の生態の特徴を解説
続いてはニホンイシガメの生態の特徴を見ていきましょう。
【ニホンイシガメの特徴】生活の場所
ニホンイシガメは日本の固有種で、本州・四国・九州を中心に周辺の島にも生息します。
人為的に移入された可能性のある場所もあります。
河川や池などにいて、流れのある流水域を好むんだよ。
流水域の反対を止水域と言います。
どうして流水域を好むんですか?
私たちは他のカメと比べて、皮膚が弱いの。
だから綺麗な水質になりやすい流水域がいいのよね。
水質が悪いと、水カビ病の危険性が高まるんだ。
飼育下でも陸地がメインの環境にすると、皮膚病の危険性を減らすことができます。
【ニホンイシガメの特徴】食性
ニホンイシガメは雑食で、自然では魚類や両生類、昆虫や甲殻類、そして植物も食べます。
水中でも陸上でも食べるよ。
飼育下でもなんでも食べるニホンイシガメです。
ただ、人間用に加工された食品やアクの強い野菜などは与えない方がいいですしょう。
【ニホンイシガメの特徴】耐寒性と冬眠
ニホンイシガメは非常に寒さに強く、5℃くらいでも活動が観察されることがあります。
でもやっぱり気温が下がると活動量は落ちるのよ。
最高気温が15℃以下の季節になると、冬眠に入ります。
どんなところで冬眠してるんですか?
水中の石の下などでも冬眠するけど、陸上の落ち葉の下で冬眠したりするよ。
そして翌3月の下旬くらいから、冬眠からあけて活動を始めます。
【ニホンイシガメの特徴】生殖
気温が下がり始める9月〜10月と、冬眠明けにオスがメスに求愛行動をし交尾します。
気温の低下が交尾のトリガーになるんだよ。
冬眠環境の中で交尾する個体もいます。
6月ごろに陸上に穴を掘り、1〜12個の卵を1〜3回に分けて産むのよ。
生まれてどのくらいから交尾をするのかな?
オスは生後3年くらいで性成熟するんだ。
メスは遅くて、生後5年くらいで性成熟するの。
まとめと関連
☆この記事で話したこと☆
- 最大甲長はメスが22㎝、オスが15㎝
- 頭部は地味な茶色っぽい色で、比較的小顔
- 四肢は水かきが発達している
- 尻尾には総排泄膣と呼ばれる『排泄』『生殖』『産卵』を行う穴がある
- 背甲の色は個体差が大きい
- 腹甲の色は黒系一色になることが多い
- オスの総排泄膣はメスと比べて、明らかに外側にある
- 3,5㎝くらいで生まれ、1年で倍の大きさになる
- 卵は70くらいで孵化する
- 河川や池などに生息し、水の綺麗な流水域を好む
- 雑食で餌付けが簡単
- 寒さに非常に強く、最高気温が15℃以下になるころ冬眠する
- 気温が低い時期に交尾をし、オスは生後3年で性成熟、メスは生後5年で性成熟する
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