- ニホンイシガメってどうやって冬眠させるの?
- 冬眠ってリスクが高いの?
- いつぐらいから冬眠させたらいいの?
私、くま村長。
主に野外採集の日本産の爬虫・両生類の飼育者です。
当ブログは、私の実際の飼育経験に基づいて爬虫・両生類の飼育についてまとめています。
ニホンイシガメは日本産のカメで、自然下では冬に冬眠しています。
でも飼育下での冬眠って、ちゃんとやらないと危険なんですよね。
そうですね。冬眠には正しい知識と手順が必要です。
この記事は、ニホンイシガメが安全に冬眠するための手順をわかりやすく解説する取り組みです。
この記事では、以下のことをお話しします。
- 冬眠前の準備
→『冬眠に入るタイミング』『1ヶ月の絶食期間』『適切な冬眠環境』 - 冬眠中の注意点
→『適温の維持』『不測の事態予防』『冬眠明けが近づけば』 - 冬眠をさせない
この記事を読み実践することで、ニホンイシガメを安全に冬眠させることができます。
読み進めて確認してみてね。
☆★☆ニホンイシガメを冬眠させるメリットとデメリット★☆★
☆メリット☆
- 冬眠は繁殖のトリガーとなる
- 冬眠中はニホンイシガメの世話が不要になる
- 冬眠させる方が長生きすると言われている
★デメリット★
- 冬眠にはニホンイシガメが死亡するリスクがある
- 冬眠は準備期間を含めると約半年あり、飼育の楽しみが半減する
ニホンイシガメの冬眠方法【準備】
安全に冬眠をさせるには、冬眠前の準備が重要です。
☆冬眠前の3つの準備☆
- 冬眠に入るまでの温度
- 冬眠1ヶ月前からの絶食
- 冬眠環境のセッティング
具体的に説明していきます。
【ニホンイシガメの冬眠準備】温度
変温動物のニホンイシガメが冬眠に入るタイミングは、やはり気温の変化です。
寒くなったら代謝が落ちるから、冬眠せざるを得ないんだよ。
どのくらいの気温になったら冬眠に入るんですか?
基準は最高気温が15℃以下なる頃です。
この温度になるのを、予測し逆算しながら冬眠準備をします。
自分の住んでいる地域の、最高気温が15℃以下になるタイミングを調べてみましょう。
東京であれば、11月下旬に最高気温が15℃を下回ってきます。
その頃に冬眠させるという計算で準備をしていきましょう。
室内飼育の場合は冬眠させない
ニホンイシガメを常時、室内で飼育しているなら冬眠はさせないでください。
室内飼育では温度の下降が緩やかなので、冬眠へのスイッチが入りません。
中途半端な温度で冬眠に入るのが一番危険なの。
つまり冬眠のタイミングは、常時屋外飼育で徐々に温度が下がり、最高気温が15℃を下回る時ってことなんですね。
【ニホンイシガメの冬眠準備】絶食させる
冬眠のタイミングが決まったら、その1ヶ月前からニホンイシガメに餌を与えるのをやめます。
どうしてなんですか?
胃に未消化の餌があると、冬眠失敗の恐れがあるためです。
絶食中は日当たりのいい場所で日光浴をさせ、消化を促します。
逆を言えば、絶食まではたくさん餌を与えてね。
そうして冬眠に耐える体力をつける準備が、重要なんですよね。
【ニホンイシガメの冬眠準備】環境のセッティング
どういう環境で冬眠させたらいいんですか?
ポイントは…
- 水深を深くする
- 落ち葉や水苔を入れる
- 日陰に設置する
順番に解説していきます。
【冬眠環境】水深を深くする
どうして水深を深くするんですか?
水温変化を少なくするのと、水が凍らないようにするためですね。
水が凍っちゃうと私たち、凍死するの…。
水が多いほど、水質も安定するしね。
水深は深くしますが、呼吸ができるよう足場は確保をしましょう。
▼冬眠環境に足場となる石を入れる▼
特に体が小さいうちは足場は重要だよ。
【冬眠環境】落ち葉や水苔を入れる
冬眠環境にはニホンイシガメが落ち着けるように、落ち葉や水苔を入れます。
自然でも堆積した落ち葉の下で冬眠しているわ。
冬眠で使用する落ち葉は、一晩水につけて灰汁抜きをします。
【冬眠環境】日陰に置く
冬眠場所は気温変化の少ない日陰にします。
日当たりのいい場所だと、温度が上がって起きちゃう可能性があるよ。
同じ理由で、室内も温度が上がりやすいので避けましょう。
▼1日中日陰で、静かなところに設置▼
ニホンイシガメの冬眠中の注意点3つ
冬眠中はどうしたらいいんですか?
基本的には、そっと見守ります。
観察しすぎは、ニホンイシガメを刺激し起こしてしまいます。
冬眠中の注意点を3つにまとめます。
【冬眠中の注意点】5℃〜15℃を保つ
冬眠中はこの水温を保ちます。
15℃以上だと起きるし、5℃以下だと凍結の危険が迫ります。
定期的に水温を計ってチェックしてね。
急激な気候の変動には注意が必要です。
天気予報をチェックしましょう。
最近は12月や1月でも暖かい日がありますもんね。
かと思えば信じられない寒波が来ることもあるし…
とにかく適温を保てるよう、場所を移動するなど対処して下さい。
温度が上がってしまいニホンイシガメが完全に目覚めてしまったら、また冬眠させずに加温飼育に切り替えるのも一手です。
加温飼育については後で説明してるわ。
【冬眠中の注意点】水没・外敵から守る
屋外に冬眠場所を設置している状態では、不測の事態に見舞われることもあるので注意が必要です。
まずは水没ですね。
水槽の水が雨で溢れ出ることがあります。
私たちは溺れないから、溢れるくらいならいいけど…
流され出されちゃうこともあるわよ。
それは危ないですね…
これは、雨にさらされない場所に置くことで解決できます。
▼蓋つきのコンテナで冬眠する様子▼
▼横に空気穴を空けています▼
後は動物に荒らされ、ニホンイシガメが連れて行かれることもあります。
結構注意が必要だよ。
特に猫!
これも何らかの対策をすることで未然に防げるはずです。
▼動物侵入防止、及び脱走防止のロックが付いている蓋▼
【冬眠中の注意点】冬眠明けのタイミング
いつくらいに冬眠から明けてくるんですか?
地域差がありますが、東京なら3月中旬から最高気温が15℃を上回る日が多くなります。
そうなってきたら日当たりのいい場所に移動します。
徐々に目が覚めて、動き出すよ。
ニホンイシガメが日光浴をしだしたら餌を与えます。
最初はあまり食べないけど、少しづつ食べるようになるよ。
4月も下旬になるとすっかり元気になって、餌を食べるでしょう。
どんどん餌を食べさせてね。
冬眠させない加温飼育の方法
冬眠にはやはりリスクが伴います。
以下のような場合は、冬眠をさせない選択を選ぶのもいいでしょう。
生まれたての子ガメは冬眠を越す体力がなく、させない方が無難です。
秋に生まれる子もいるから、そんな子は特に危険ね。
子ガメは加温飼育でしっかり餌を与えて、早めに成長させるのが長生きのコツです。
餌喰いが悪いニホンイシガメも注意です。
夏場に餌を食べれてないと、冬眠を越す体力がないかも知れないよ。
様子を見て適切な対処をして下さい。
再冬眠はNGです。
一度起きちゃうと、再度冬眠するには体力を使うの。
冬眠させない加温飼育
冬眠をさせない、もしくは中断したら加温飼育に切り替えます。
加温飼育で用意するものは以下です。
- 水中ヒーター
→水温を上昇させる - 紫外線ライト
→太陽光の紫外線を再現する - バスキングライト
→太陽光の熱線を再現する
これらについても詳しく解説していきます。
水中ヒーター
水中ヒータはコチラが使いやすいです。
水温を28℃に自動保温し、ニホンイシガメが火傷しないようにカバーがついています。
ヒーターがうっかり空気中に出ちゃっても、温度をコントロールするから大丈夫。
2年保証つきで安心・安全なの。
水量が多すぎると効果が薄れますが、ニホンイシガメ飼育なら十分です。
紫外線ライト
冬場は太陽光を浴びせることができません。
カメは紫外線によって、カルシウムの吸収を促すビタミンD3を体内に生成します。
ビタミンD3不足だとカルシウム吸収が阻害され、カメの骨格形成に悪影響を及ぼします。
そうなるとクル病の可能性が高まるんだ。
クル病になると治すのは難しいから、紫外線照射による予防が大事なんだ。
そんな大事な紫外線を照射してくれるのが紫外線ライトで、これはもはや爬虫類飼育の必須アイテムです。
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バスキングライト
紫外線ライトは、熱は発しません。
普段私たちは太陽の光を浴びて、体温を上昇させてるの。
バスキングライトはそういうふうに陸地の一部を高温にして、ニホンイシガメの代謝を助けてくれます。
水中ヒーターがベースで、バスキングライトはホットスポットとして設置するよ。
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まとめと関連
☆この記事で話したこと☆
- 最高気温が15℃を下回るようになったら冬眠のタイミング
- タイミングから逆算して1ヶ月前から絶食させる
- 冬眠環境は外の日陰におく
- 5℃〜15℃の温度を保つようにする
- 落ち葉などをいれ、落ち着ける環境に
- 水没と外敵から冬眠環境を守る
- 冬眠させないなら加温飼育する
- 子ガメや体調の悪い個体は冬眠させない
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