
- ニホントカゲって絶滅危惧種なの?
- ニホントカゲの採集・飼育って禁止されている?
- 地域によっても違うの?

私、くま村長。
主に野外採集の日本産の爬虫・両生類の飼育者です。
当ブログは、私の実際の飼育経験に基づいて爬虫・両生類の飼育についてまとめています。

ニホントカゲって、数が減ってるって聞くんですよね。

それは間違いないですね。
この記事では、そんなニホントカゲの現状の話をしていきます。
この記事では、以下の点を詳しく解説します。
- 日本と各地域の絶滅危惧種のリスト
- 種の保存法の概念と、採集・飼育の可否
- ニホントカゲの数が減っている原因の考察
この記事を読むことで、ニホントカゲの現状を知ることができます。

どういうふうに取り扱えばいいかもわかるので、有意義な内容です。

読み進めて確認してみてね。
東日本に生息するニホントカゲは、ヒガシニホントカゲと呼ばれ別種とされています。

形体・生態ともにほとんど一緒なので、まとめてニホントカゲとしています。
この記事のデータは2025年7月のものになります。
ニホントカゲって絶滅危惧種になるほど珍しいの?

まず最初に、ニホントカゲは『日本の絶滅危惧種のリスト』には載っていません。

日本全体では『普通種』と呼ばれるカテゴリーに属します。
ただ数が減っていて今後、このリストに入る可能性はあります。

そうなんですね。

一部の地域や自治体では、ニホントカゲが絶滅危惧種や保護種に指定されています。
それらを見ていきましょう。
東京【絶滅危惧種Ⅰ類】

東京都23区では、絶滅危惧種Ⅰ類に指定されています。
絶滅危惧Ⅰ類とは、『絶滅の危機に瀕している種』を指します。

じゃあ東京都では、ニホントカゲの採集や飼育はしてはいけないんですか?

生き物の所持・流通の禁止は、『種の保存法』によって定められています。
ニホントカゲはその法律の対象ではなく、採集も飼育も動物取扱業者による販売等にも制限はありません。
種の保存法の正式名称=『絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律』

なるほどね。

つまり法律で採集・飼育は禁止ではないが、『絶滅の恐れがあるから注意して扱ってね』という状態なんですね。
栃木県【絶滅危惧種Ⅱ類】
栃木県では、絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。
絶滅危惧種Ⅱ類とは、『絶滅の危険が増大している種』を指します。

現状はⅡ類の分類ですが、将来はⅠ類に分類されるかもしれません。
広島県・香川県・埼玉県【準絶滅危惧種】
広島県・香川県・埼玉県では、準絶滅危惧種に指定されています。
準絶滅危惧種とは、『現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種』を指します。

広島県と香川県ではニホントカゲでの分類で、埼玉県ではヒガシニホントカゲでも分類になります。

その土地で何代も子孫を残して定着しているから、移動させたらダメなのよ。
千葉県【重要保護生物】
千葉県では、重要保護生物のリストに入っています。
重要保護生物とは、法的な拘束力は無いが、可能な限り保護に努める必要があると定められています。

同じ県内でも環境が違うので、市によってはより上の区分に分類されることもあります。
京都府・滋賀県【要注目種】
京都府・滋賀県では要注目種に区分されています。
要注目種とは、自治体が独自に定めるカテゴリーで、野生生物保護上重要な種とされています。

結構色んな地域で、何かしらに指定されているんですね。
数の減少が実感できますね。

そうですね。
次からは、ニホントカゲの数が減っている要因を考えていきます。
【要因】ニホントカゲが珍しくなっている要因

自然界には食物連鎖があります。

僕たちもその連鎖の中の一種なんだ。
何かを食べてお腹を満たし、逆に食べられる危険の中で生きているんだ。

そんな状況でも淘汰されずに、種を維持してきたのがニホントカゲです。
そうしたニホントカゲが減る原因は、『人間の存在』抜きに語ることはできません。

でも、数は減ってきているんですよね。

その原因は、『人間の存在』を抜きに語ることはできません。
考えていきましょう。
カナヘビやヤモリとの比較
我々の身近にいるトカゲといえば、ニホントカゲの他にカナヘビとヤモリが挙げられます。

確かによく見ますよね。
それらはレッドリストではどう扱われているのでしょう?

埼玉県ではニホントカゲが、準絶滅危惧種に分類されていると言いました。
対してカナヘビは、地帯別危惧種に分類されています。
地帯別危惧種とは、全県的には絶滅の危険性は低いものの、地帯区分でみた場合にすでに絶滅した地帯がある、もしくは絶滅の恐れを危惧すべき地帯がある、という分類です。

危険度は低いってことですね。
ヤモリはリストには入っていません。
☆栃木県の場合
ニホントカゲは絶滅危惧種Ⅱ類に分類、カナヘビは要注目種でヤモリはリストにありません。

ニホントカゲの方が数の減りが顕著、ということですね。
どうしてなのでしょうか?
自然の開発で減るニホントカゲ
ニホントカゲは民家周辺でも見かけますが、高層マンションが立ち並ぶ環境では生きていけません。

立体行動の得意でないニホントカゲは、開発による影響を受けやすいんですよね。

潜ってることが多いのよね。
移動は得意じゃないわ。

僕たちは立体行動が得意なんだよ。

ニホントカゲはカナヘビやヤモリと比べて、体が大きく丈夫です。
機動力が種の保存に与える影響は大きい、そう考えられるんですよね。
変わりゆく日本の気候
ニホントカゲは、日本の四季に適応できる生態を持っています。

ずっと日本で生活してるからね。

ただ近年、特に夏の暑さは異常です。
その異常を乗り越えるため、夏場の活動量が制限しているように感じるんですよね。

夏は暑すぎてじっとしていることが多いんだ。
当然、餌の量も減るんだよ。

異常気象がニホントカゲを追い込んでいるんですね。

特にメスは産卵するし、卵を守る(抱卵)の。
その間は餌を食べないし、ようやく卵が孵化したら夏が始まっちゃってるわ。
ニホントカゲは5〜6月に産卵し、7〜8月に卵が孵化します。

メスがより過酷ってことは、やっぱり数に影響しますよね。

この異常気象を作り出したのは、いったい誰なのか?
それも併せて考えてみて下さい。
まとめと関連
☆この記事で話したこと☆
- ニホントカゲは『種の保存法』の対象ではなく、採集・飼育の法律的規制はない
- 地域や自治体によって、絶滅危惧種と分類されている所がある
- 全体的に数が減ってきていることは間違いない
- 数がよる原因は自然開発や異常気象など、人間が関与しているケースが考えられる
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