- アオダイショウの体の特徴って?
- アオダイショウってどんなところにいるの?
- アオダイショウってどんな生態をしているの?
- アオダイショウのオスメスってどうやって判別するの?
- アオダイショウってどうやって飼育するんだろう?
私、くま村長。
主に野外採集の日本産の爬虫・両生類の飼育者です。
当ブログは、私の実際の飼育経験に基づいて爬虫・両生類の飼育についてまとめています。
アオダイショウは、ナミヘビ科ナメラ属に分類されるヘビです。
ナメラ属のヘビは無毒、日本のヘビにはアオダイショウの他にシマヘビ、ジムグリなどがいます。
そしてアオダイショウは日本の固有種で、本州・四国・九州・北海道を中心に属する島々に生息しています。
南西諸島にはいないんだよ。
※人為的に持ち込まれた個体がいる場合あり
この記事ではそんな、日本人にとって最も身近であるアオダイショウの特徴を細かく解説していきます。
アオダイショウの生態と魅力を知ってもらう試みです。
この記事では以下の点を細かく解説していきます。
- アオダイショウの身体の特徴
『体色』『柄』『幼蛇』『大きさ』『顔』 - アオダイショウの生態の特徴
『生息場所』『食性』『性格』 - アオダイショウの性別の特徴
『オスメス判別』『繁殖』『孵化』 - アオダイショウの飼育の特徴
この記事を読むと、アオダイショウに関することはだいたい分かります。
飼育・観察に役立つ情報です。
読み進めて確認してみてね。
アオダイショウの特徴とは?【身体に関する特徴】
まずはアオダイショウの身体の特徴を解説していきます。
【アオダイショウの特徴】身体の色
アオダイショウは名の通り青っぽい色をしてると思いきや、実際に見るとくすんだ緑色をしていることが多いです。
黒っぽい緑色が多いよ。
北海道の個体は紫外線の影響をあまり受けないので、本州の個体より青みが強くなる傾向にあります。
エゾブルーって呼ばれて、人気が高いですよね。
国後島の個体は特に青みが強く、『クナシリラットスネーク』として海外でも愛好家の多いアオダイショウです。
その他で有名な体色のアオダイショウといえば、シロヘビですね。
▼シロヘビと呼ばれる真っ白なアオダイショウ▼
なんでこんなに白いんですか?
遺伝子の突然変異でメラニン色素を合成できなくなった個体が、このように白化します。
これは『アルビノ』と呼ばれ、アオダイショウだけでなく他のヘビや動物でもみられます。
山口県岩国市ではかつて自然発生したアオダイショウのアルビノ個体が、『神の使い』として大切に扱われ、その子孫が自然下でも定着しています。
自然環境の変化で数は減っていますが、天然記念物として保護されています。
岩国のシロヘビって言えば有名ですもんね。
アオダイショウだったんだ。
すごい綺麗なヘビだけど、天然記念物だから飼育はできないんだ…
岩国の自然のシロヘビは天然記念物ですが、アルビノのアオダイショウには繁殖個体もいます。
それは普通に販売されていて飼育もできます。
【アオダイショウの特徴】身体の柄
アオダイショウの身体には4本の不明瞭な縞が入ります。
▼アオダイショウの身体の縞模様▼
確かにうっすらと縞模様がありますね。
シマヘビも縞模様ですが、アオダイショウと違いはっきり現れます。
▼シマヘビの身体の模様▼
縞模様が全くないアオダイショウもいるんだ。
『パターンレス』って言うんだよ。
このような珍しいアオダイショウは、ペットショップなどでは高値で取引されます。
▼パターンレスのアオダイショウの幼蛇(上)と通常の幼蛇(下)▼
【アオダイショウの特徴】子供の頃
アオダイショウの子供(幼蛇)は、大人とは色も柄も違います。
▼アオダイショウの幼蛇▼
幼蛇の体色は灰色、柄は縞模様ではなく梯子(ハシゴ)状です。
大人とはずいぶん違いますね。
小さく天敵の多いアオダイショウの幼蛇は、マムシに擬態していると考えられています。
毒蛇に擬態することで、安全を保っているんだよ。
>>アオダイショウの幼蛇の特徴をもっと知りたないならコチラをチェック
【アオダイショウの特徴】大きさ
アオダイショウの大きさ(体長)は100㎝〜200㎝です。
メスよりオスの方が平均的に大きくなるんだよ。
でも、200㎝くらいの大型の個体はメスの方が多かったりするんだよ。
兎にも角にも本土では最大のヘビであり、フルアダルトの個体は結構迫力があります。
自然で遭遇したら、かなりの存在感がありますもんね。
南西諸島には最大250㎝サキシマスジオ、最大200㎝のヨナグニシュウダ、最大240㎝のハブなど、アオダイショウより大きなヘビがいます。
【アオダイショウの特徴】顔
瞳の色はオリーブ色、瞳孔は黒く丸いのが特徴です。
瞼(まぶた)がなく、まばたきはしません。
まんまるな目で可愛いイメージなのよ。
目から口にかけて黒いラインが入ります。
頭部は角ばっています。
口は非常に大きく、顔より大きな生き物も食べることがきます。
▼アオダイショウがマウスを食べる様子▼
アオダイショウの特徴とは?【その不思議な生態】
続いてはアオダイショウの生態を、『生息場所』『食性』『性格』の3つの項目でお話ししていきます。
【アオダイショウの特徴】生息場所
アオダイショウってどんな所にいるんですか?
森林や堤防、農地などに生息しています。
餌であるネズミを追って、住宅地にいることも多いんですよね。
ネズミを食べるから農家では、益獣とされていたんだよ。
そして昼行性であり、よく見かけるヘビの代表がアオダイショウです。
逆に人が入らない深い森では、あまり見られないの。
アオダイショウは立体行動が得意
アオダイショウは地表を這い回るイメージがありますが、木や壁などにもよく登ります。
腹板の両端にキールがあり、これを引っ掛けて登るんだよ。
だから壁なんかでも垂直に登れるんだ。
▼アオダイショウの腹板のキール▼
この登ることのうまさが、アオダイショウが都市部でも生きていける原動力となっています。
【アオダイショウの特徴】食性
食べ物は主に鳥類や、小さな哺乳類を食べます。
木登りが得意だから、鳥の巣を襲って卵を食べることもあるんだ。
▼雀を捕食するアオダイショウ▼
幼蛇のうちは、トカゲやカエルを食べる傾向が強いんだよ。
飼育下でのアオダイショウといえばマウスです。
冷凍マウス(を解凍したもの)に簡単に餌付き、これだけでこと足りることが飼育の用意さに繋がっています。
▼マウスを食べるアオダイショウ▼
逆にアオダイショウの天敵ってどんな動物なんですか?
アオダイショウが捕食対象な生き物は、タヌキやキツネや大型の鳥類です。
幼蛇の頃はカラスや猫、シマヘビにも狙われたりしています。
【アオダイショウの特徴】性格
アオダイショウってやっぱり攻撃的なんですか?
個体差はあるけど…
人の生活圏にいるヘビだから、人間をあまり怖がらず慣れやすいわ。
自然採集個体が多いアオダイショウは、ほぼ繁殖個体なコーンスネークと比べると、臆病で攻撃的だったりします。
人間にいじめられた個体も攻撃的になるんだよ。
危険を察知すると総排泄膣(肛門に当たる部分)から、臭い匂いの液体を出します。
アオダイショウの特徴とは?【オスメスと繁殖】
続いてはアオダイショウのオスメスの違いと、繁殖行動の特徴をお話しします。
【アオダイショウの特徴】オスとメスの見分け方
アオダイショウは見た目にオスメスの違いがほぼありません。
総排泄膣付近に生殖器があるので、オスメスを調べるならそこを重点的に調べます。
どうやって判別するんですか?
主に以下の3点です。
- 総排泄膣から尻尾にかけての太さで判別する
- ポッピングで生殖器を外部に出すことで判別する
- プローブを体内に差し込み、その差し込む長さで判別する
なんか難しそうですね。
そうですね。
これらの具体的な方法をまとまめた記事もあるので、そちらも見てみてください。
【アオダイショウの特徴】繁殖行動
僕たちは生後3年〜4年で、大人になって性成熟するんだ。
性成熟したアオダイショウは、冬眠から覚めた5月ごろから繁殖行動をします。
その頃は相手を探して積極的に動き回るの。
その後、7月・8月に4個〜17個の卵を産みます。
卵は母親が外敵から卵を守るのよ。
▼抱卵するアオダイショウのメス▼
【アオダイショウの特徴】孵化
卵は約2ヶ月後に孵化します。
▼孵化するアオダイショウの幼蛇▼
孵化後はすぐに餌を食べるんですか?
生まれたては卵時代の栄養が身体の中にあるんだ。
そして孵化後、ちょっとしたら脱皮するんだよ。
▼孵化直後のアオダイショウ▼
最初の脱皮が終わったら、餌を求めて活動を始めます。
アオダイショウの特徴とは?【アオダイショウを飼育する】
アオダイショウって飼育しやすいんですか?
アオダイショウは日本の他のヘビと比べておおらかな性格で、餌喰いもいいため、飼育しやすいヘビだと言えます。
日本的な素朴な魅力があって飼ってみたいヘビですよね。
飼育のポイントは以下の3点です。
- 最大200㎝になる大型のヘビなので、飼育環境の整備が重要
- ヘビ飼育の肝は餌やり
- 変温動物のため、健康に飼育するには適切な温度管理が必要
上記の点をクリアしたら、アオダイショウを長く飼育できます。
寿命は20年くらい、大切に育ててね。
まとめと関連
☆この記事で話したこと☆
- アオダイショウの体色はくすんだ黒っぽい緑色
→北海道の個体は青みが強い
→真っ白なアルビの個体もいる - アオダイショウの身体の柄は4本の縞が入る
→幼蛇は斑紋模様(マムシに擬態?) - 最大体長は100㎝〜200㎝
→平均的にオスの方が大きくなる - 顔は角ばっていて、瞼がなく瞬きしない
- 昼行性で森林や堤防、農地に生息する
→餌を追って民家付近にも生息している - 主に鳥類や小さな哺乳類を食べ、カエルやトカゲなども食べる
- 性格は臆病でおとなしい
→ゆえに攻撃的な個体もいる - オスメスの見た目の違いはほぼない
→判別するには技術が必要 - 冬眠明けに繁殖行動をし、産卵し夏に孵化する
→メスは卵を守る - アオダイショウは飼育しやすい(日本のヘビの中では)
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