
- 日本にはどれだけの種類のヒキガエルがいるの?
- ヒキガエルの種類の見かけ方って?
- 飼育しているヒキガエルは何の種類?

私、くま村長。
主に野外採集の日本産の爬虫・両生類の飼育者です。
当ブログは、私の実際の飼育経験に基づいて爬虫・両生類の飼育についてまとめています。
日本には5種類のヒキガエルが生息しています。

すなわち…
ニホンヒキガエル
アズマヒキガエル
ナガレヒキガエル
ミヤコヒキガエル
オオヒキガエル(外来種)
の5種類です。

そんなにいるんだ…

ということでこの記事では、この5種類の生態とその見分け方を解説していきます。
ヒキガエルをより身近に感じてもらう試みです。
この記事を読めば、日本にいるヒキガエルの種類が完全に把握できます。

読み進めて確認してみてね。
日本にいるヒキガエルの種類と見分ける方法


それでは早速、日本にいる5種類のヒキガエルを詳しく解説していきます。
【ヒキガエルの種類①】ニホンヒキガエル

☆ニホンヒキガエルの生息地域☆
分布:鈴鹿山脈以西の近畿地方南部から山陽地方、四国、九州、屋久島
※東京都や仙台市などにも移入している

ニホンヒキガエルは主に西日本中心に生息し、次に挙げるアズマヒキガエルと形態・生態ともに酷似しています。

主に農耕地や森林などに生息し、公園や民家周辺にも生息します。
ニホンヒキガエルの見分け方

ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルって似ているんですよね?
どうやって見分けるんだろう?

違いが表れるのは『鼓膜』です。
下の写真を見て下さい。
アズマヒキガエルと比べると、鼓膜が小さくなります。


目から鼓膜までの距離が、鼓膜の直径とほぼ同じです。
これにより、アズマヒキガエルとの比較が無くても見分けることができます。


なるほど…
微妙な違いなんですね。

他にも身体の表面に出るイボが小さめという特徴もあります。
これもアズマヒキガエルと比較すると…という話なのですが。
【ヒキガエルの種類②】アズマヒキガエル

☆アズマヒキガエルの生息地域☆
分布:東北地方から近畿地方、島根県東部までの山陰地方北
※伊豆大島・八丈島・佐渡島・北海道などにも移入

アズマヒキガエルは『ニホンヒキガエルという種の中のアズマヒキガエルという亜種』になります。


同じ種だから、似ているんですね。

主に東日本にいますが、ニホンヒキガエルと生息地域が重なっている所もあります。

山陰地方にいるのは意外だったなぁ…
アズマヒキガエルの見分け方
ニホンヒキガエルと同じようにアズマヒキガエルの鼓膜に着目します。

ニホンヒキガエルと比べて、鼓膜が大きいということがわかります。


鼓膜が大きいので、目からの距離が狭くなります。
これで、ニホンヒキガエルと見分けることができます。


比較するとよくわかりますね。

そして身体の表面に出るイボが大きめです。
【ヒキガエルの種類③】ナガレヒキガエル

☆ナガレヒキガエルの生息地域☆
分布:北陸地方から紀伊半島


上の分布の中でも、比較的標高が高い渓流周辺に住んでいるの。

他のヒキガエルと比べて数が少なく、希少性が高いキガエルでもあります。
ナガレヒキガエルの見分け方


見分け方はこれまた『鼓膜』です。
ナガレヒキガエルは鼓膜が小さく不明瞭です。

少しわかりにくい特徴ですね。

渓流近くにいるから他と比べて、足や指が長く泳ぎがうまいのよ。
赤や橙の斑紋が入る個体が多いとも言われます。
※他のヒキガエルもそういう個体はいますが…
【ヒキガエルの種類④】ミヤコヒキガエル

☆ミヤコヒキガエルの生息地域☆
分布:宮古諸島
※大東諸島に移入

ミヤコヒキガエルは『アジアヒキガエルという種の亜種』で、宮古島諸島の固有亜種です。

サトウキビ畑や森林に生息しているよ。

宮古島にいる固有種は、条例により採取禁止になっています。
市場に出回っているのは主に大東諸島の人為移入された個体です。
ミヤコヒキガエルの見分け方
最大体長が本土のヒキガエルより小さく、体色が明るいのが特徴です。

オレンジ色や明るい茶褐色をしているんだ。
▼ミヤコヒキガエルとアズマヒキガエルの大きさと色の違い▼

両者ともオスです。
【ヒキガエルの種類⑤】オオヒキガエル

☆オオヒキガエルの生息地域☆
・元々はアメリカテキサス州や中米、南米北部に生息。
日本では小笠原諸島、大東諸島、石垣島などに移入されている。

日本にいるオオヒキガエルは『外来種』で、サトウキビ畑の害虫駆除生物として、日本だけでなく世界各地に移入されています。

大きくて繁殖力が強く、移入先で天敵がいないから爆発的に増えて定着しているんだ。
日本では特定外来種に指定され、輸入や販売・飼育が禁止されています。
オオヒキガエル見分け方

見分け方は大きさ、最大で22センチになります。
目の周りに骨質の隆起があり、一目見てオオヒキガエルだと分かります。


上の写真のように明らかに大きな耳線があり、そこには毒がたくさん詰まっているんだぜ。

身体が大きくて毒の量も多いって…
結構怖いですね。

先ほども言ったとおり特定外来種にも指定されているので、見つけても触らないようにしましょう。
まとめと関連
☆それぞれのヒキガエルの特徴☆
- ニホンヒキガエル
最大体長17,6㎝ 主に西日本に生息し、東京や仙台に移入
鼓膜が小さく、目と鼓膜の距離が鼓膜の直径と同じ - アズマヒキガエル
最大体長18㎝ 主に西日本に生息し、北海道や離島にも進出
鼓膜が大きく、目と鼓膜の距離が鼓膜の直径より短い - ナガレヒキガエル
最大体長16,8㎝ 北陸地方から紀伊半島に分布
比較的標高の高い渓流周辺に生息
泳ぎが上手く、手足とその指が長め
鼓膜が小さく不明瞭 - ミヤコヒキガエル
最大体長10,2㎝ 宮古諸島の固有亜種 大東諸島に移入
身体が小さく、体色が明るい 宮古諸島のものは採集が禁止 - オオヒキガエル
最大体長22㎝ アメリカ大陸出身 石垣島・大東諸島・小笠原諸島に移入
目の周りに骨質の隆起があり、耳線が大きい
日本では特定外来生物に指定されている
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