- カナヘビにミルワームを与えるのってどうなの?
- カナヘビの餌、ミルワームだけではダメなの?
- ミルワームを餌として与える時の注意点は?
私、くま村長。
主に野外採集の日本産の爬虫・両生類の飼育者です。
当ブログは、私の実際の飼育経験に基づいて爬虫・両生類の飼育についてまとめています。
ミルワームは非常にポピュラーな餌です。
僕たちも大好きな餌だよ。
ミルワームはいい餌なのですが、取り扱いには注意点があります。
この記事は、カナヘビの餌としてのミルワームを考える取り組みです。
この記事では以下の項目を取り扱っています。
- ミルワームとはどういう生き物で、どんな管理をするのか?
- ミルワームを与える時の注意点
『栄養素の偏りに注意』『栄養を補う方法』『与える時期』
この記事を読むことで、餌としてのミルワームのメリットとデメリット、そしてデメリットの対策がわかります。
読んでみて、確認してみてね!
紹介しているミルワームは、非常にコスパがいいです。
1カップあれば、餌としてもそうですし繁殖も狙えます。
>>この記事で紹介するオススメのミルワームはコチラから
カナヘビにミルワームを与える【ミルワームとは?】
まずはミルワームがどんな生き物かを解説します。
しっかり理解してね。
これを知ると、ミルワームの餌としてのいいところがわかります。
ミルワームとは?
ミルワームとは、『餌』として飼育・繁殖しているゴミムシダマシ科の幼虫のことです。
▼ゴミムシダマシ▼
よく見られるミルワームは、『コメノゴミムシダマシ』や『チャイロコメノゴミムシダマシ』の幼虫です。
アメリカの『ツヤケシオオゴミムシダマシ』は幼虫は大きくて、ジャイアントミルワームって名前で売られているよ。
私たちの餌にジャイアントミルワームは大きすぎるのよね。
ゴミムシダマシの幼虫(ミルワーム)は幼体の期間が長く、季節問わずに供給できるので鳥類、爬虫・両生類の餌によく使われます。
さらにミルワームは飼育が簡単で、ストックが楽なのも餌として大きなメリットとなっています。
匂いも少なく餌も与えっぱなし、ほったらかしでもストックできます。
確かに管理が楽なのはいいですね。
ミルワームの管理の仕方
ミルワームは、どうやって管理・ストックすればいいんですか?
ポイントは3つ、『床材』『餌』『掃除』です。
順に説明していきます。
ミルワームの床材
我々にとって床材とは、生活の場であり餌です。
よく使われるのは『ふすま』ですね。
ふすまとは小麦の殻で、ミルワームは大体、ふすまと一緒に販売されています。
>>ミルワームの生活の場『ふすま』はコチラから
ふすま以外にもパン粉やオートミールを使ってもいいです。
それだったらスーパーでも手に入るからいいかも!
ミルワームの餌
床材が餌でいいのですが、後述するガットローディングを考えるなら、ミルワームに不足する栄養素を含んだ餌を与えるといいでしょう。
小松菜はカルシウムを、人参はミネラルを補給できるよ。
野菜を与えることで、水分の補給もできます。
ミルワームの生活環境は清潔に
我々が飼育してると、飼育容器はフンと脱皮からだらけになるよ。
▼フンと脱皮柄だらけになった様子▼
こんな環境でも普通にしてるのがミルワームですが、栄養が足りなくなるのは間違いありません。
フンは乾燥していますが、水分と一緒になると悪臭を放ったり、ダニやコバエが発生します。
それはやだな。
ミルワームの掃除は簡単で、ふるいにかけるだけです。
ミルワームと床材ごと、ふるいにかけます。
床材とミルワームが分離するまでふるいをかけます。
※ふるいで残ったゴミは別で取り除きます。
新しい床材を入れます。
この写真ではパン粉を使っています。
ミルワームを長期管理してるなら、定期的にメンテナンスしましょう。
【これだけじゃダメ】カナヘビにミルワームを与える
ミルワームの特性と管理の楽さをお話ししてきました。
さらにミルワームは価格も安く、嗜好性も高いです。
ミルワームの価格はワンカップ(100匹ほど)で300円〜500円です。
完璧な餌のように感じますね。
ただミルワームは栄養バランスが悪いんですよね。
言うなれば、みんな好きだけど食べ過ぎは身体に悪いジャンクフードみたいな感じです。
そんなミルワームの栄養バランスと、餌として与える時の対策をお話します。
ミルワームの栄養バランス
餌の『リン:カルシウム』のバランスは『(リン)1:(カルシウム)1,5』が理想ですが、ミルワームは『(リン)14:(カルシウム)1』と、圧倒的にリンの過多です。
リンの過剰摂取は生体に悪影響を及ぼします。
リンが過多だとカルシウムの吸収を阻害するため、生体の骨格形成に悪影響があるのです。
つまりミルワームは『理想の栄養バランスからかけ離れている』ってことなんですね。
さらに我々の外皮は強くキチン質が多く含まれているので、消化に悪いんだよね。
特に脱皮前や蛹(サナギ)、成体のゴミムシダマシはキチン質の塊になっているので、ほとんど消化されません。
つまり栄養バランスが悪く、消化もしにくい餌ってことなんだ。
そうなんですよね。
ただ、対策をすると幾分かはマシになります。
それを次に話していきます。
ミルワームは嗜好性が高くカロリーも高いので、拒食中や痩せた個体、産卵直後のメスの復調を促すことができます。
次に話す対策とともに使い方によっては、いい餌となるんですよね。
ミルワームを与える時の対策3つ
ではミルワームを餌とするときの3つの対策をお話しします。
どれも難しいことではありません。
ダスティング
ダスティングとは、栄養剤を振りかけて栄養バランスをよくすることです。
ミルワームの場合は、不足しているカルシウムを補います。
▼カルシウムパウダーをダイティングされたミルワーム▼
やり方は簡単、カルシウムパウダーを振りかけるだけ。
小さな容器に入れてシェイクすると、まんべんなく振りかけられます。
ダスティングは餌として与える直前に行います。
カルシウムパウダーには『リン』が含まれているものがあります。
リン過多のミルワームにリンを振りかけては元も子もないので、リンが含まれないものを選んでください。
カルシウムパウダーにはビタミンD3が含まれているものもあります。
昼行性のカナヘビには、ビタミンD3入りのものがオススメです。
詳しくは、下の記事を読んで見て下さい。
▼カルシウムパウダーについて詳しく知るならコチラ▼
ということでカナヘビには、以下のカルシウムパウダーがオススメです。
一つ揃えておいたら、当分は使えるでしょう。
>>オススメのカルシウムパウダーはコチラから
ガットローディング
ガットローディングとは、餌となる昆虫に栄養価の高い餌を与え、餌自体に栄養素を蓄えさせることです。
つまり間接的に栄養を補うってことですね。
ミルワームなら前述した通り、カルシウムなら小松菜、ミネラルならニンジンを与えるのがいいでしょう。
我々はなんでも食べるから、ガットローディングもしやすいよ。
いつガットローディングをすればいいんですか?
ミルワームが餌になる1日前から、ガットローディングして下さい。
消化し切らないうちに、餌となるようにするんですね。
脱皮直後のミルワームを与える
我々の脱皮直後は、皮がやわらかくなっています。
▼ミルワームの脱皮直後の様子▼
明らかに脱皮直後ってわかりますね。
この時に与えると、消化もいいでしょう。
まとめると…
そのままでは栄養バランスが悪く消化も悪いミルワームも、ダスティングやガットローディングで栄養を補い、脱皮直後のものを与えるといい!
そういうことですね。
まとめと関連
☆この記事で話したこと☆
- ミルワームはゴミムシダマシの幼虫で、餌用に飼育・繁殖されている
- 管理が楽で嗜好性も高いが、栄養バランスが悪く消化も悪い
- デメリットを補うために、対策が必要
>>この記事で消化したオススメのミルワームはコチラから
>>この記事で紹介したオススメのカルシウムパウダーはコチラから
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